営業資料のデザインは、オシャレにしないほうがいい

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「営業資料や提案書が、いまいち魅力的でない気がする…」というお悩みをお持ちのあなた。
「もっとオシャレな資料にして、相手に訴えかけよう!」なんて思っていませんか?

いやいや、前回の記事でも言及したように、資料をオシャレにすることでお悩みが解決することなんて、ほぼないんです。

今回は、営業資料のデザインをとっかかりにして、“ほんとうに魅力的な資料”をつくるためのヒントをご紹介していきます。

デザインへの態度

営業資料や提案書の目的は“相手に、商品やサービスの特長をしっかりと伝えること”です。

「カッコいい資料だから、この商品買おう!」となる人はいませんよね。
「この商品(サービス)は魅力的だ、買おう!」となるはずです。

つまり、商品やサービスの魅力がよく伝わる資料こそ、魅力的な資料なのです。

だから資料のデザインを「オシャレにしよう」とするのではなくて、「伝わるデザインにしよう」と意識するようにしましょう。

オシャレvsシンプル

あえて極端な例を示してみます。

1枚目の画像は、なんとなくオシャレっぽい感じは出ていても、情報が整理されていないので、パッと見で理解することはできないですよね。

一方、2枚目の画像はデザインに面白みはありませんが、「メリット」と「ベネフィット」という形で情報が整理されているなど、ぱっと見でページの読み方がわかるような感じがあると思います。

面白みはないけどパッと見でわかるデザイン

営業資料や提案書は、集中して読んでもらえると思ったら大間違いです。
流し見でも中身を認識してもらえるようにするには、情報を整理して掲載しなければいけません。
これこそ「伝わるデザイン」の本質です。

「伝わる資料」にするための6つのコツ

「情報を整理して掲載」や「伝わるデザイン」などと言われても、どうすればいいのか…?と感じた方は、以下に記す6つの方法を試してみて下さい。

①1スライド1メッセージ

これはよく言われることですよね。
資料作成の定番中の定番です。

しかし、よく言われるということは、1メッセージに絞りきれない人が多いということでもあると思います。
最初は1メッセージに絞っていたはずなのに、書いているうちに「これも重要、だったらこれも重要…」となって、メッセージだらけのスライドになってしまうのでしょう。

まずは意識して絞ってみるしかないんですが、いまいち上手くいかない場合は、次の②③の方法を試してみてください。

②一箇所だけ目立たせる

色や文字の大きさで、目立たせる箇所をはっきりとさせましょう。

目立たせたい箇所をハッキリとさせた例

「東京一極集中」が言いたいんだと、すぐにわかると思います。
しかし、以下のようにメリハリがない紙面にすると…

メリハリがなくて目立たせたい箇所がハッキリしていない例

これでも一応、「1スライド1メッセージ」にはできているんですが、なんとなくどこを見ていいかわからないというか、読者が意識して読まないと言いたいことがわからない、という仕上がりになってしまっていますよね。

③何箇所も強調するのは✕

逆に、あっちこっち目立たせてもいけません。
1スライド内に線引きや赤文字などが何個もある資料ってたまにありますよね。

線引きまくりの例

読む立場からすれば「どこを読ませたいんだ」となります。

もし、「どう考えても強調すべき箇所が何箇所もあるんだけど」という事態になったら、そのスライドで伝えるべき1メッセージを絞れていないのかもしれません。
「1スライド1メッセージ」の原則を確認する意味でも、「一箇所だけ目立たせる」というコツはおさえて作成してみましょう。

④会社名やロゴは入れない

スライド端に載せているロゴや会社名。
それらも情報として無意識に目に入ってしまうので、本文を読むための集中を、実は妨げてしまっています。
小さな違いなので絶対にダメというものではありませんが、やらないほうがベターです。

そもそも、その資料が誰の手によるものかはわかって読まれているはずなので、全ページでロゴや会社名をアピールする必要はありませんよね。

⑤色を使いすぎない

これは例をご覧になればすぐに感じていただけるはず。

無駄にカラフルなデザインの例

このスライドの内容は一つのシステムを説明しているはずなのに、色を分けてしまっているために、4つ別々のものを説明している感じがしますよね。
それに、なんか見づらいし、なんかダサいです。
始めのうちは「1色をベースにしたデザインで、強調する箇所は赤で表示」というシンプルなデザインにしておくのが無難です。

※下記リンク先に、資料デザインの初歩として必要十分なアドバイスが掲載されています。
「キレイな提案書を作るためのデザインの基礎知識」

⑥自己(自社)紹介は後回し

自己(自社)紹介は、資料の冒頭に配されることも多いですが、場合によっては邪魔になります。
基本的には、商品やサービスを知ってもらうための資料なので、すぐにその内容に入るべきです。

ただし、以下の場合は、冒頭に自己(自社)紹介を配すべきかもしれません。

・資料を読む人が、自己(自社)のことをある程度知っているかどうか
・自己(自社)紹介を事前にしておくことが、その商品・サービスを紹介していく際に情報として必要になるかどうか

以上6つのポイントをおさえて構成すれば、今よりも確実に、伝わりやすい資料を作ることができるでしょう。

さいごに

今回は、「魅力的な資料というのは、商品やサービスの魅力が良く伝わる資料のことを言うんですよ」という内容でした。

そもそも、超絶しゃべりが上手な人だったら、営業資料や提案書などは必要ないんです。
大事なのは商品やサービスの魅力であって、それをしゃべりで上手に伝えられれば、資料という存在は必要不可欠というわけではありません。
その程度のものではあるんです。

そんな存在のものを、オシャレに飾る必要はありません。
しゃべりだけでは不十分なところを補う目的で作るわけですから、「飾る」というアプローチではなく、「魅力が伝わるような構成にする」というアプローチで、資料作成に向き合っていただければと思います。

今回の記事も、誰かの資料作成の一助になりますように。

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